DNS クライアントを作ったので紹介してみる - DNS 温泉 / OSSTech Advent Calendar 2019 - ダメ出し Blog

2019-12-15(Sun) [dns][getaddrinfo] [更新履歴]

DNS 温泉 Advent Calendar 2019、 兼 OSSTech Advent Calendar 2019 の15日目の記事です。

DNS のテストに役立つ DNS クライアントをいくつか書いたのですが、 宣伝等せずに放置していました。せっかくなので紹介します。

dnsq, dnsqr (DNS 権威/キャッシュサーバーへの DNS RR 問合せツール)

https://github.com/fumiyas/dnsq-go

djbdns 付属の dnsq(1), dnsqr(1) のクローンコマンドです。Go 言語製なのでシングルバイナリー、 Linux だけでなく Windows や macOS 向けのクロスビルドも簡単です。

DNS 実装部分は github.com/miekg/dns を使ったので、自分はコマンドラインインターフェイスを作っただけですがね…。

dnsq, dnsqr のインストール

go(1) が使える環境を用意して次のように実行すると $GOPATH/bin/ (デフォルトは $HOME/go/bin/) 以下にバイナリーが作成されます。 ここを PATH に追加しておくとよいでしょう。

$ go get github.com/fumiyas/dnsq-go/cmd/dnsq
$ go get github.com/fumiyas/dnsq-go/cmd/dnsqr
$ ls ~/go/bin/dnsq*
...

Windows 向けバイナリーをクロスビルドしたいときは、次のように git リポジトリーをクローンしてからビルドしてください。

$ git clone https://github.com/fumiyas/dnsq-go.git
...
$ cd dnsq-go
$ GOOS=windows go build ./cmd/dnsq
$ GOOS=windows go build ./cmd/dnsqr
$ ls *.exe
...

dnsq の使い方

dnsq は DNS 権威サーバー (DNS コンテンツサーバー) に DNS RR を問合せるコマンドです。 (BIND 付属の dig(1) の dig +norec ... 相当)

例えば dig +norec -t ns jp @a.root-servers.net (DNS 権威サーバー a.root-servers.net にドメイン名 jp の NS RR を問合せ) に相当する dnsq コマンドラインと出力は次のようになります。

$ dnsq ns jp a.root-servers.net
2 jp:
1+0+11+16 records, response, noerror
query: 2 jp.
authority: jp. 172800 NS a.dns.jp.
authority: jp. 172800 NS d.dns.jp.
...省略...
authority: jp. 86400 DS 39595 8 2 2871D562754FD45AC0452440D806ABB8E6BA967B2032B166FD2761E873553387
...省略...
additional: a.dns.jp. 172800 A 203.119.1.1
additional: a.dns.jp. 172800 AAAA 2001:dc4::1
additional: d.dns.jp. 172800 A 210.138.175.244
additional: d.dns.jp. 172800 AAAA 2001:240::53
...省略...

dnsqr の使い方

dnsq は DNS キャッシュサーバー (フルサービスリゾルバー) に DNS RR を問合せるコマンドです。 (BIND 付属の dig(1) の dig +rec ... 相当)

例えば dig +rec -t a www.google.com @8.8.8.8 (DNS キャッシュサーバー 8.8.8.8 にドメイン名 www.google.com の A RR を問合せ) に相当する dnsqr コマンドラインと出力は次のようになります。

$ dnsqr a www.google.com 8.8.8.8
1 www.google.com:
1+1+0+1 records, response, noerror
query: 1 www.google.com.
answer: www.google.com. 171 A 172.217.25.100

オリジナルの djbdns dnsqr はキャッシュサーバーの IP アドレスを 環境変数 DNSCACHEIP で指定しますが、私の dnsqr は対応していません。

dnsstubq (スタブリゾルバーへのホスト名 / IP アドレス問合せツール)

https://gist.github.com/fumiyas/a462843421be93c8288f001f24e93045

OS (libc(7)) のネームサービス (nsswitch.conf(5)) を利用してホスト名や IP アドレスの名前解決を行なうコマンドです。 正確には DNS と直接の関係はありません。 DNS スタブリゾルバーであるネームサービスモジュール libnss_dns.so を利用する設定なっていれば resolv.conf(5) で 指定されている DNS キャッシュサーバーに問合せることがあります。 (実際に DNS を利用するかどうかはほかのモジュールの設定や状態による)

「ネームサービスによるホスト名や IP アドレスの名前解決」と言われても ピンとこない人もいらっしゃるかと思います。 もっと「具体的に何」なのか説明しておくと、 「getaddrinfo(3) によるホスト名や IP アドレスの名前解決」のことです。 えっ? 余計にわからない? getaddrinfo は、例えば ping a.dns.jp したときの a.dns.jp、 git clone git@github.com:fumiyas/dnsq-go.git したときの github.com から IP アドレスを得るために利用されます (いわゆる「正引き」)。 また、Apache HTTPD や SSH デーモンがクライアントの IP アドレスからホスト名を得るときにも利用されます (いわゆる「逆引き」)。

dnsstubq のインストール

先に紹介した URL (GitHub Gist) ページの dnsstub.c 表示の右にある Raw ボタンを押すと C 言語のソースコードが表示されるので、適当にダウンロードして、 適当な C コンパイラーでコンパイル、インストールしてください。

$ wget https://gist.githubusercontent.com/fumiyas/a462843421be93c8288f001f24e93045/raw/93aeb51afcfe3f02a61823ec3b20372110a0601a/dnsstubq.c
...
$ gcc -o dnsstubq dnsstubq.c
$ ls -l dnsstubq
...
$ sudo install -m 0755 dnsstubq /usr/local/bin/

dnsstubq の使い方

コマンドライン引数にホスト名を与えると IP アドレスに、 IP アドレスを与えるとホスト名に解決して表示します。

$ dnsstubq localhost
::1
127.0.0.1
$ dnsstubq www.google.com
2404:6800:4004:80a::2004
172.217.161.36
$ dnsstubq ::1
localhost
$ dnsstubq 172.217.161.36
nrt12s23-in-f4.1e100.net

dnsstubq の使い所

dnsstubq で何ができて何が嬉しいのかわからない人も多そうなので、 いくつか使用例を紹介しておきましょう。 地味に便利だと思っているのですが、いかがでしょうか?


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