Postfix Advent Calendar 2014 の 9日目の記事です。 書いている時点の日付は 11日目になろうとしています。遅れてごめんなさい。
今日は parent_domain_matches_subdomains
パラメーターを紹介します。
parent_domain_matches_subdomains
設定してますか?
ふつうの設定例や解説ではお目にかかることのない
parent_domain_matches_subdomains
パラメーター、あなたは設定していますか?
ググってみると、トラブったときに存在を認識されている例が多いようです。
私の推奨設定は以下です。値は書き忘れではありません。空(から)に設定しています。
parent_domain_matches_subdomains =
推奨されたからと安易に既存の main.cf
に設定しないでください。
トラブっても知りません。何を意味するのか把握してからにしましょう。
移行や既存の環境でなく、新規に Postfix を立てるのであれば、是非、設定しましょう
(恐らく安全)。
デフォルト値は次のようになっています。
(見易いように sed
で加工してます)
$ postconf -d parent_domain_matches_subdomains |sed 's/= /=\n /;s/,/\n /g'
parent_domain_matches_subdomains =
debug_peer_list
fast_flush_domains
mynetworks
permit_mx_backup_networks
qmqpd_authorized_clients
relay_domains
smtpd_access_maps
parent_domain_matches_subdomains
って何?
パラメーター名で自明のように思えますが、簡単に紹介しましょう。
まず postconf
(5) より抜粋:
parent_domain_matches_subdomains
(default: seepostconf -d
output)What Postfix features match subdomains of
domain.tld
automatically, instead of requiring an explicit.domain.tld
pattern. This is planned backwards compatibility: eventually, all Postfix features are expected to require explicit.domain.tld
style patterns when you really want to match subdomains.
意訳してみました:
parent_domain_matches_subdomains
(デフォルト:postconf -d
の出力を参照)このパラメーターに指定した Postfix の機能(パラメーター)は、 明示的に
.domain.tld
形式のパターンを指定せずともdomain.tld
の指定だけで自動的にサブドメインにもマッチします。 このパラメーターは、将来、後方互換性に影響する変更を計画しています。 ゆくゆくは、すべての Postfix の機能において、 サブドメインにマッチさせたいときは明示的に.domain.tld
形式のパターンを指定することを必須にする予定です。
たとえば、parent_domain_matches_subdomains
のデフォルト値には
relay_domains
が含まれていますが、次のような設定をすると、
example.jp
だけでなく、任意のあらゆるサブドメイン.example.jp
のリレーも許可されます。これはあなたの予想あるいは意図した挙動と一致するでしょうか?
relay_domains = example.jp
たとえそれが望む動作だとしても、 私のように自明でない予想外の仕様・挙動が嫌いな方であれば、 次のように設定を好むと思います。
parent_domain_matches_subdomains =
relay_domains = example.jp .example.jp
自明でない予想外の仕様・挙動はトラブルの元になります。 方策があるなら活用し、できるだけ避ける努力をすべきです。
というわけで、parent_domain_matches_subdomains
パラメーターは、
空(から)に設定することを強く推奨します。
サブドメインをマッチ対象にしたいときにだけ、
明示的に .domain.tld
形式を指定しましょう。
将来の Postfix バージョンではデフォルト値が空になる可能性があるため、
それに備える意味でも有用です。
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